フットケア(創傷ケア)井上病院

『フットケア(創傷ケア)』って一体どんなことなのでしょうか?
どんな患者さんが対象になるのでしょうか?どんな治療をするのでしょうか?
簡単に順を追って説明させていただきます。

フットケア(創傷ケア)の背景

「創傷」には、褥瘡(じょくそう、床ずれ)、糖尿病や動脈閉塞による足の壊死・潰瘍、静脈瘤などに伴う潰瘍、その他外傷後のきずで治らないもの等、さまざまな原因があります。

そして近年の高齢化の進行、糖尿病や透析患者さんの増加・長期化から足が壊死になって切断が必要になる患者さん、およびその危険性の高い方が増加傾向にあります。
足を切断し歩行できないということは、体全体の機能損失だけでなく、その方の気力または生命そのものを奪うこともある重大な問題です。
実際、足切断が必要になる方の死亡率は、一部の悪性腫瘍(癌など)の死亡率よりも高いとする報告もあります。

フットケア(創傷ケア)の対象患者さんと診療目標

手足に治りにくい潰瘍(きず)をもつ患者さんが対象となります。

原因としては、慢性下肢動脈閉塞症(PAD)・糖尿病性壊疽・下肢静脈疾患(下肢静脈瘤・深部静脈血栓)・リンパ浮腫などで、基本的には歩行できる方が治療対象となりますが、痛みやきずがあるために歩けなくなった方もご相談ください。

診療目標は、血行をよくする治療(血管内治療やバイパス手術など)を行うことによって、足の切断をできるだけ回避し、どうしても壊死によって切断が必要になったとしても、最低限度の切断での治癒を目指し、ご自分の足で歩行していただくことを可能にすることです。当院には日本フットケア・足病医学会認定のフットケア指導士が医師も含めて5名以上在籍し、さらには創傷管理・処置を行うことができる特定看護師も2名在籍しています。さらに、臨床工学技士・理学療法士・診療放射線技師・臨床検査技師・事務部門も含めてフットケアチームを形成して集学的治療にあたっています。

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