臨床工学科の概要
臨床工学技士とは、「医師の指示の下に生命維持管理装置の操作、及び保守点検を行うことを業とする者」と法律で定義されています。
つまり、医療技術の進歩に伴い高度化する医療機器に対応し、安全性を担保し、かつ適正操作による運用を行うための専門職です。
現在は臨床工学技士36名、助手3名 (2019.4.1予定)が在籍しており、主に透析と人工呼吸に関わる多種多様な医療機器を安全に使用するための管理・運用を行っています。
主な業務
血液浄化業務
井上病院透析棟では主に、外来患者さんのHD、オンラインHDFを行っています。
2014年よりオンラインHDFが可能な装置を導入し、患者さんの目的に応じた治療が可能となっています。
また、血漿交換や血漿吸着等の特殊な治療にも対応しています。さらに、機械カルテを用いて217台の関連装置を管理しています。
ME機器管理業務
シリンジポンプ・輸液ポンプ・患者モニター・除細動器・血圧計等の保守・点検・管理を行っています。
各機器の所在はME室内で確認できるように工夫しています。
さらに、予備機を常備することで機器の不具合に迅速に対応することが可能となっています。
人工呼吸器業務
人工呼吸器の点検、回路交換、毎日のラウンドを行っています。
医師・看護師と協力しながら患者さんの症状に応じたモード選択、設定を行っています。
在宅血液透析業務
在宅透析患者さんの導入前からの教育、導入後のサポート、関連装置の保守・点検・管理を行っています。
手術室業務
自己血回収システムの操作、電気メス・患者モニター・除細動器の保守・点検・管理を行っています。
睡眠時無呼吸症候群簡易検査(SAS検査)関連業務
透析患者さんは体液貯留などの関係で睡眠時呼吸障害の発症頻度が高くなっています。
機器の貸し出しを行い、その結果を解析し、睡眠時無呼吸症候群の兆候がみられた場合、精密検査やCPAP(マスクを使用した治療法)を適応しています。
臨床工学科の取り組み
人材育成
実習生の受け入れも積極的に実施しています。
チーム医療への参加
ICLS(Immediate Cardiac Life Support)
医療従事者のための蘇生トレーニングであり、インストラクター・コースコーディネーターとして、プロジェクトチームとして取り組んでいます。
BLS(Basic Life Support)
院内研修で開催されるBLSコースのインストラクターとして参加しています。
JHAT(Japan Hemodialysis Assistance Team)
日本災害時透析医療協働支援チームへ登録と研修会の参加をしています。
資格・認定
透析技術認定士 | 9名 |
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透析技能2級検定 | 2名 |
呼吸療法認定士 | 2名 |
第1種ME技術者(臨床ME専門認定士) | 2名 |
CPAP療法士 | 1名 |
透析液安全管理責任者セミナー受講 | 3名 |
バスキュラーアクセス管理研修会受講 | 3名 |
JHAT隊員養成研修会受講 | 2名 |