血液透析(HD)
透析とは
血液透析は腎臓が正常に働かなくなった患者さんに対して行われる治療法で、血液を体外に導き出し、ダイアライザと呼ばれる特殊フィルターの中で血液中の毒素や水分を除去し、きれいになった血液を体内に返す治療です。血液透析には血液を体外に導き出すために、腕の動脈と静脈とをつなぎ合わせるシャントが必要になります。血液透析は1回4~5時間の治療を週に3回行います。正しく自己管理を行いながら、仕事や旅行、スポーツを行っていただくことも可能になります。
透析を行う事で以下の事が可能になりますが、貧血を治すホルモン・血圧を調節するホルモンやビタミンDの生産など、内分泌機能の代行が出来ないのが欠点です。
- 身体の水分を調整する
- 毒素を体外に出す
- 電解質のバランスを調節し、血液を弱アルカリ性に保つ
透析の時間について
当院の透析の開始時間は以下のとおりです。
曜日 | 平日 | 土曜・祝日 | |
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午前 | 8:45・9:45 | 8:45・9:45 | |
午後 | 13:45 | 13:45 | |
夜間 | 17:00 | 15:00~20:00 ※仕事の場合のみ祝日21時まで相談可 |
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オーバーナイト | 月水金のみ 20:00~6:00(翌朝) |
※12/30~1/3は祝日体制とさせていただきます。
透析時間と透析量
透析の質は ダイアライザに血液を送る「血流量」とダイアライザの「膜素材と面積」「透析時間」によって左右されます。
「血流量」とダイアライザの「膜素材と面積」によって透析効率を調整し、透析時間を長くすることで透析量を大きくすることができます。
透析アミロイドの原因であるβ2マイクログロブリンの除去には透析量が大きいほど良いことが知られていますが、生命予後の点からも週3回最低4時間の透析が必要であると維持血液透析ガイドライン(2013年度版)にも明記されるようになりました。
透析時間を長くする事で時間あたりの除水速度を下げることができるので透析中の低血圧が起こりにくくなります。またドライウェイト(基礎体重)が達成しやすくなり自己管理の面でも効果的です。
当院では夜間でも最長5時間の透析が可能です。
オンラインHDF
オンラインHDFとは
血液透析に濾過を同時に行う血液濾過透析(HDF)という治療があります。補液に透析液を使用する治療をオンラインHDFといいます。
オンラインHDFでは、血液透析では除去しにくい低中分子蛋白物質を取り除くことができます。
オンラインHDFの治療効果として、関節痛、かゆみ、不眠、イライラ感、むずむず脚症候群(レストレスレッグ症候群)、透析アミロイドーシスの軽減などがあげられます。また補液プログラムを工夫することで透析中の血圧低下にも効果がみられることもあります。
当院では約70台のオンラインHDF対応装置で、これらの症状を有する患者さんを中心にオンラインHDF療法を行っています。
即効性のある治療法ではありませんが、長期的な効果が期待される治療法です。
オンラインHDFの種類
当院ではアルブミンの漏出を抑えた前希釈オンラインHDF、除去効率をあげる後希釈オンラインHDF、末梢循環の改善効果が期待される間歇補液型のI-HDFなど、さまざまなオンラインHDF療法を患者様の状態に合わせてオーダーメイドで行っています。
特殊血液浄化法
特殊血液浄化法とは
当院では通常の透析の他に以下などの特殊血液浄化療法にも対応しています。
- CHDF/持続緩徐式血液透析濾過
- PE/単純血漿交換療法
- PA/血漿成分吸着療法
- LCAP/血球除去療法
- GCAP/顆粒球除去療法
- LDL-A/LDL吸着療法
- PMX/エンドトキシン吸着療法
- CART/腹水濾過濃縮再静注法
血液浄化のご相談は、地域医療連携室までご連絡ください。
地域医療連携室06-6368-7441